「片道勇者プラス」で遊んだ。
開発はウルフエディターの開発者SmokingWOLFさん。
元はフリーゲームだったものに追加要素を足して有料化したもの。PLAYSMで600円で買った。
システムとしては基本的にローグライクRPGだけど、風来のシレンみたいな一般的なものと違って、横スクロールでしかも後戻りができないという特徴を持つ。
ゲーム中は画面左から「闇」が迫ってきているので、飲み込まれないようどんどん先に進んでいく必要がある。
シレンでいうところの「風」に相当するシステムだけど、プレイヤーに対してより能動的な進行を促しており、稼ぎによる安定を求める行為を制限しているのが面白い。
俺はフリー版の片道勇者も遊んだんだけど、その時は「つまらなくはないけどなんかシビれないな~」という感想で、割とすぐプレイをやめてしまった記憶がある。
有料となったプラスを買ったのはそんな違和感ともういちど向き合いたいと思ったからなんだけど、結局もう一度プラスで遊んでも大して感想は変わらなかった。
「つまらなくはないけどなんとなく物足りない」。そんな印象だったんだよな。
んで「片道勇者_開発記」とか買って読んだら、
片道勇者を作るうえで何ができて何ができなくて、何をさせたいのかを色々考えながらゲームを作ったことが書いてあってとても面白かったんだけど、
結局遊んだときの「なんか物足りない」という気持ちはなくなることはなかった。
なんでだろう、って思ったときに、片道勇者のゲームプレイっていうのはひたすら右に進んで敵が出てきたら倒して、街を見つけたら買い物をして、
強くなるまでそれを続けて、魔王を倒せるようになったら倒す、っていう感じだと思うんだけど、
俺が感じたのは「これって遊んでみるとローグライクっぽくない、なんか普通のRPGっぽい」ってことだった。
で、なんでそれがつまらないのかなって考えると、例えばシレンで面白いシーンって言ってまず思いつくのはまず「どうたぬき」とか「妖刀かまいたち」を拾ったときだよね。
なんでかまいたちを拾って楽しいのかっていうと、それを合成することで武器を強く出来るから・・・つまり「武器を拾う=成長」するから楽しいんじゃないかな、と。
ローグライクの楽しさって一つ一つの「判断」ももちろんあるけど、もうひとつ「成長」っていう要素との二本柱になってるんじゃないかな、と思った。
片道勇者には「合成」がないので、武器を新しく拾ってもそれは「強い武器の代わり=ただのメイン武器の劣化」に過ぎないんだよね。
そうなるとやはり武器を拾うことにトキメキを感じられない、すると武器屋を見つけても欲しいものが無いから嬉しくない・・・となってしまっているんじゃないかなと。
それは武器以外のアイテムについても同じで、強い効果のアイテムが少ないせいで結局脳筋で敵と殴りあう場面が多く、
「アイテムを使って打開する」という体験が生まれないことで、同時に「アイテムを拾いたい」という意思も起きなくなっているように感じた。
結果、拾っても嬉しくないアイテムを拾いながら、なんとなく右に進んでいくような場面が多いのかな・・・と。
また仲間キャラクターの出現率が低くてなかなか会えないとか、街の出現率も低めだったりで、先に進むこと自体にあまり期待感を感じられないようになってるかなーと。
そうなればもう後は、「魔王を倒せるようになるまでただ右に進むゲーム」になってしまうんじゃないかな・・・と思った。
実際俺が遊ぶと、剣士を使えば殴り合いが強いから楽だけど、冒険家だと殴り合いが弱い上に対処手段も少ないからただ辛い・・・みたいな感じだった。
まあそれでももうちょっと仲間キャラの出現率が高ければ、いろんなエンディングを見たいっていう気持ちになれて良かったんだけど、なぜか中々出てこなくて毎回妖精イーリスエンドな上に、
仲間が出てきてもパンティ=ミエタさんだったりでちょっと寂しい気分。
キャンペーンモードだと仲間が必ず出てくるとかあるみたいだけど。
それはそれとして音楽とかテキスト部分は凄く好きだし、しっかりとした造りも好印象。
ちょっと重くてうちのノートPCが火を吹きそうになったりするけど。
現在まさかの片道勇者2を開発中とのことで、果たして次の作品がどんなふうになってるかちょっと興味あったり。
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