【タイトル・ハード・価格など】
タイトル:空飛ぶ赤いワイン樽 ~A Diary of Little Aviator~ ちなみにaviatorは飛行士の意
遊んだハード:PC
製作:提供は神電研 製作は橙汁
発行日:2007年の冬コミ?
価格:1500円くらいだったか
【ゲーム概要】
縦STG。
【一言感想】
事故死ゲー。
【ごく個人的なお気に入り・不満点】
×クリア時の評価が辛口すぎでは・・・別にいいけど・・・
×3面のルート選択の仕様がクソすぎ
【スクリーンショット】
同人サークル「橙汁」製作の縦STG「空飛ぶ赤いワイン樽」をクリア。
アニメ調の、どことなく牧歌的なグラフィックが特徴。
雰囲気がなんとなくマイルストーン(現クロン)の「ラジルギ」を思わせる気がする(特に2面BGM)。
人々が空を飛び始めた頃、混乱を抑え空の統率を行う為に生まれた組織「Blue Sky Union」通称「ギルド」。
そのギルドの一員である少女「マール」は、空の平和のため、今日も愛機「レッドバレル」で空へ飛び立つ・・・というのが本作のストーリーだ。
自機の名前が「レッドバレル」、つまりは赤タルという事で、遊ぶ前は鈍重な機体をちびちび動かすオールドタイプなSTGかと思っていたのだが、実際の所は全くの逆で、非常にスピーディな展開の攻め重視型のSTGであった(初プレイ時ショットボタン連打で高速移動できることに気づかなかったのは内緒だ)。
本作の自機レッドバレルは、正面を撃つ「ショット」と、独特の軌道で正面に飛ぶ「ロケット砲」を装備している。
ロケット砲は高火力で弾消し能力もあり非常に強力なのだが、敵が落とす「コイン」を集めないと発射できない。
なぜコインを集めるとロケットが撃てるのかについては考えないように。
敵が落とすコインの量は「得点倍率」によって決まり、倍率が高いほど大量のコインが出現する。
倍率はロケット砲を敵に当てるごとに上昇するが、時間経過で下落してしまう。
なので倍率を上げるために、ロケット砲を敵に切れ目なく当て続ける必要がある。
「ロケットを敵に当てる→倍率が上がりコインが大量に出現してロケットが補充される→さらにロケットを敵に当てる」というループをいかに維持できるかが、本作最大の肝だと言えるだろう。
ただし本作最大の難しさもそこにあって、まずロケット砲は正面にしか飛ばない為プレイヤーは自機を大きく左右に動かさざるを得ない。
またコインの回収を素早く行う為には画面の上方に出る必要がある。
画面上部で左右に動くプレイヤーを襲うのは、近距離からでも容赦なく放たれる敵の弾やミサイルである。
コインを集めるのに夢中で激しく動いた結果、自分から敵弾に突っ込み事故死、というのが本作の主な死にパターンであり、ほのぼのとしたグラフィックとは裏腹に難易度は割と高めであると感じた。
本作にはロケット砲のシステムとは別に、もう一つ特徴がある。
それがプレイ中の会話ウインドウである。縦STG特有の画面左右の隙間を利用してキャラクターが会話を行うのだ。
会話内容やステージ構成はプレイの内容によって変わってくる。
ここが俺が一番気に入った所なのだが、本作では他のSTGではまず不可能な「あること」が出来るのだ。
それが敵を見逃すことだ。
敵を見逃すとどんなメリットがあるか。
・・・それを語る前に、まずSTGのメリットとは何かについて考えてみたい。
STGにおけるメリットとは・・・。やはりスコアが稼げること?ボムや残機が増えること?それともプレイが楽になること?
もしそれらだけがSTGのメリットだというなら、本作では何も貰えない。
敵を見逃してもスコアが(直接的に)増えることも、残機やボムが増えることも無い。敵の攻撃を避け続ける必要があるため、プレイングは普通に倒すよりもむしろ難しくなる。
なーんだ、じゃあやっぱり倒せる奴は全部倒した方がいいんじゃん。と、思うかもしれないが、敵を見逃すことにより一つだけ手に入るものがある。
それが平和だ。
ボスを徹底的に叩きのめした場合、彼らは主人公マールに怒りをぶつけ、恨みを持ちながら撃墜されていく。
一面開幕のカモメを撃墜すると怒って襲ってくるの図。
逆に見逃した場合、ちょっとした文句を言う事はあっても、本気で恨むという事はなくなる。出会うのが空の上でなければ、もしかしたら共に笑い合うことも出来るかもしれない。
STGの歴史は戦いの歴史。出てくる敵は全て倒す、デストロイゼムオールを頑なに貫き続けてきた。
画面上に居る者は全て敵。全ての敵を破壊しつくす。考えるより先に撃つ。
全てそのように作られていた。
だが少し考えてみて欲しい。本作の主人公の目的は、あくまでも空の平和。
しかし全てを破壊しつくすような戦い方をしていては、被害も増え、恨みや憎しみも重なっていく。
力を振るうだけでは、戦いの連鎖を止める事はできないのだ。
だからこそ「見逃す」という事が必要になる。何事もやりすぎてはいけない。
あくまでも平和の為に戦うのであって、必要以上の力を振るってはダメだ。本作はそんなメッセージをプレイヤーに伝えようとしている気がするのだ。
ただし!敵を見逃す事が出来るのは、あくまでも強い奴だけ。
強くなければ争いを避ける事も出来ない。平和など掴めるはずもない。
弱い奴は何も出来ずただ撃墜されるだけだ。
平和の為に、敵を生かす為に、強くなる。
そのように遊べるSTGを、俺は本作以外に知らない。
ここからは、空の平和に向けて戦う空戦士の諸兄らに向けて、ちょっとしたテクニックを送ろう。
本作の独特なシステムに慣れるまでの助けになれば幸いだ。
■ちょっとしたテクニック1「ロケット連射で倍率稼ぎ」
小型機はロケット1発で壊れてしまうので倍率を稼ぎづらいのだが、ロケットを素早く2連射で撃つことにより小型機が壊れるよりも早く2発のロケットを当てることで、倍率が稼げる。
ただしロケット切れの危険があったり、外した時のリスクが大きいので、使用は計画的に。
ステージ開始直後に倍率を素早く上げたいときに使うと便利かもしれない。
ただし3・4面の開幕ではあまりに敵の数が少ないためオススメしない。
■ちょっとしたテクニック2「爆風の上で擬似無敵」
自機を爆風の上に置くと、ミサイル以外でダメージを受けることがなくなる。
特に溜め撃ちのビッグロケット砲の爆風に重なって敵を倒すとコインを素早く安全に回収する事が可能。
ボス戦では砲台に軽くショットを撃ち込んだ後、ビッグロケットを叩き込んで爆風の上から砲台を破壊し、安全にコインを回収する戦い方が基本となる。
かなり重要なテクニックだ。
ワンコインクリア最大の難関は、簡単に出せる割にトレモでは出てこず、その上強い裏ボス「黄金の翼」。
こいつがいるおかげで、本作を「たまたまクリアできる」という事はありえない。
実力で倒せるよう練習あるのみだ。
まあ平和のために戦うとは言っても、スコアラーは平然とカモメを爆殺するけどね・・・。
あと5面突入時の演出がかなり泣けるので、是非自力で見て欲しい!
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