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我々は多くを失った  もはや取り戻すこともないだろう
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プロナント・シンフォニーで己が善悪を秤る

同人エロRPG「プロナント・シンフォニー」をプレイ。開発は「E.B.」。
18禁だがオーソドックスなコマンドRPGだ。






低級悪魔「アルブ」である主人公は、あらゆる生物を操る秘術「プロナント」の使い手。
プロナントを用いて4人の少女をしもべとし、万魔殿と呼ばれるダンジョンを攻略するのが本作の目的となる。


本作はいわゆる催眠もののエロゲーに分類されるだろう。
催眠ものにも意識があったりなかったり、自我があったりなかったりと色々あると思うが、この作品ではかなり自我を残しつつ、でも命令には逆らえない、疑問を持てないという感じの展開が多い。
女の子キャラにはしっかりとした性格付けがされているので、そんな可愛いキャラのまま操れるこの設定は非常に良いと思った。
そんなわけでプロナントを使って女の子とあれやこれや・・・。

 

と、行きたいのは分かるが、ちょっと待ってほしい。
そんな相手の気持ちを無視した一方的な行為が、果たして許されるだろうか?
女の子が悲しませて本当に君は平気なのか?








 

 

本作には2つのルートがある。
一つはプロナントで人々を操り、弄んでいく悪人ルート。
もう一つは相手の気持ちを尊重し、本当の絆を育もうとする善人ルートだ。
善人ルートを辿る場合、エロシーンはほとんど見られないという思い切った設定だ。

 

なぜエロゲーなのにエロシーンが見られないのか?
そんなのはおかしい!と言いたくもなるのが男の性だが、実は本作、単純にRPGとしても良作で楽しめるし、また可愛いヒロインを弄ぶ事に心が痛むという良心があるのなら、善人ルートを取るのも全然ありだろう。
実際俺も初回は善人ルートで進めたが、普通に楽しめた。

 

ゲームとしては4人の姉妹に戦闘を任せつつ、素材を集めて武器を合成し、武器を使っているとスキルが覚えられるのでたくさん覚えて、さらにスキルは使いこむと使用回数が増えてどんどん使いやすくなっていく。
それ以外にもマップ埋めや、万魔殿の住人からの(プロナントを使っての)情報集め、敵の図鑑埋めや捕獲など、とにかくやり込める要素が多く、さらにそれがしっかりと攻略に結びついていてプレイヤーの意欲を掻き立ててくれる。
移動から採集、戦闘まで至る所にしっかりと意味を持たせ、プレイヤーの攻略を促すような作りになっている所に製作者の強い熱意が感じられた。

 


各階にはマップ踏破・採掘場強化・フロアキーパー撃破の目標が設定されている。



戦闘を続けると装備に付与されたスキルを習得できる。ちなみに画像の長女ジュエリは本作で一番弱い。



敵を図鑑登録することで弱点属性を確認できるようになる。

 

個人的には戦闘回数でスキルを覚えるようになっているため、雑魚戦が苦にならないというのが楽しかった。
戦闘バランスについて、中盤以降は敵がそこそこ強くなってくるのだが、ひたすらに「退魔剣術の構え」が主軸になるのは少し(かなり?)偏っているような気もするが。

 


特筆すべきなのはストーリーで、プロナントという精神を弄ぶ秘術から始まっていながら、いやそんな秘術から始まっているからこそ、人の心や絆の美しさに触れていく物語が引き立っているように思えた。
これまでの催眠ものを、正に「独りよがりのオナニー」だと切り捨ててしまえそうな真摯な触れ合いが(善ルートなら)楽しめる。

 


絵柄も可愛く、ゲームとして面白い。RPGファンにはお勧めの作品。
プロナントで自分の欲望を叶えるのか、あくまで相手を尊重するのか、自分がどんな人間なのか秤ってみるのも面白いのではないだろうか。
 

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