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我々は多くを失った  もはや取り戻すこともないだろう
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フロアーⅩⅢの心象 感想



ホラー同人ノベル「フロアーⅩⅢの心象」をクリア。
クリア?多分クリアだと思う。終わり方がしっくりこなかったのが気になるが。
制作は「floor project
ネタバレありなので注意。


 

 

怪死者が出たマンションと、その噂をテーマにしたホラーノベル。
マンション住人の男性を主人公とする第一部と、怪死事件を調べる女性を映す第二部。
あとはおまけのシナリオで構成されている。

 


最大の特徴としては全編実写の映像が使われているということ。
その豪華ぶりは同人ゲームとしては破格と言っていい4GBというデータサイズからも分かる。
写真は場面ごとにかなり細かく撮られており、非常に多くの枚数が使用されている。
これ、撮影すごく楽しかったんじゃないだろうか。



作中に登場する創作料理【キムチ煮】。

 

シナリオ面については、ホラーノベルとうたってはいるが、特に心霊現象に襲われたりといった事は無く、どちらかと言えばサスペンス調。
の割には一部・二部共に主人公がかなりの恐がりで、一部主人公に関してはエレベーターに乗っているだけで「死ぬぅぅぅっ!」とか叫んでしまうという極度のビビりのため、はたから見てるプレイヤーにはギャグにしか見えないという問題があった。
まあホラーとギャグは紙一重という話もあるが・・・。
二部主人公も開かずの間となっていた部屋を苦労して開けたのに、開けた瞬間に恐くなっていきなりタクシーを呼んで逃げるという奇行を見せてくれる。
いやそこは勇気を出して踏み込めと・・・。
これが現実世界の話なら恐くなってしまうというのは分からないでもないが、ホラーゲームの主人公としてはちょっと臆病すぎると思った。

 

後は状況説明が冗長で、部屋に入った時など部屋の構造や置いてあるものをいちいち丁寧に説明してくれて、なんだかお部屋を探訪している様だった。
読んでる方からすると、無駄なところはいいからストーリー上重要な部分だけ話してくれという気分になってしまった。
シナリオの結末も主人公の推測だけで終わっており、結果的には何もはっきりしない状態でのENDなので、イマイチすっきりしない。

 

ホラー要素やシナリオはおまけと割り切り、実写映像を楽しむ作品として見れば、良い内容だったと思う。
小道具なども充実しており、非常に面白い取り組みだったかと。
でも幽霊が出てこないのはもったいない。お化け屋敷的メイクで実写の幽霊が出てきたら、恐いかどうかはさておき凄く面白かったと思うのだが。

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